総合格闘家はファイトスタイルによって
1.ストライカー
2.グラップラー
3.オールラウンダー
の3つのタイプに分けられます。
それぞれのファイトスタイルの相性や勝率はどのようになっているでしょうか。
今回はRIZINやUFCを中心に400試合以上を分析し、統計学的にファイトスタイルによる勝率を検証しました。
ファイトスタイルの解説

ストライカー
パンチや蹴りなどの打撃を中心とした選手のことをストライカーと呼びます。質の高い打撃はもちろん、苦手な組技の展開にさせないディフェンス能力も求められます。
グラップラー
組技を得意とした選手のことをグラップラーと呼びます。打撃の展開を避けて、関節技や絞め技による一本勝ちを狙います。
オールラウンダー
打撃・組技どちらもできる選手のことをオールラウンダーを呼びます。どんな展開にも対応できるため、弱点の少ないファイトスタイルと言えます。
分析の方法

今回はUFCやRIZINを中心に計406試合を対象として分析を行いました。
今回は各ファイトスタイルを以下のように定義しています。
〇ストライカー:KOが一本勝ちよりも3倍以上ある選手
〇グラップラー:一本勝ちがKOよりも3倍以上ある選手
〇オールラウンダー:KO勝利と一本勝ちの数に2倍以上の差がない選手
試合数が少ない選手は除外して分析しています。
1.ストライカーvsグラップラー
2.ストライカーvsオールラウンダー
3.グラップラーvsオールラウンダー
それぞれ100試合以上、計406試合を分析しました。
対象にならなかった試合を含めると1000試合以上を調査しています。
勝率はもちろん、KOや一本勝ちによる試合決定率も計測しました。
小数点は四捨五入し、分かりやすい数値で表記しています。
分析の結果
さっそく分析の結果を見ていきましょう。
ストライカーVSグラップラー

ストライカーとグラップラーの勝率は1%しか違いがなく、ほとんど差がない結果になりました。
KOと一本勝ちの数をみると、それぞれの得意な形で勝利しているのがよくわかります。
逆にストライカーが一本勝ちをしたり、グラップラーがKOすることは難しいことも読み取れます。
ストライカーとグラップラーでは相性の良し悪しがないことが分かりました。
ストライカーVSオールラウンダー

勝率が54%と46%になり、若干ストライカーの方が有利という結果になりました。
ただ8%しか差がないので、決定的に有利とは言えなそうですね。
ストライカーはKOの数が一本勝ちの10倍以上ありますが、オールラウンダーはバランスよく勝利しているのも特徴的です。
グラップラーVSオールラウンダー

グラップラーの勝率が低く、オールラウンダーの方が有利という結果になりました。
勝率だけでなく、KOや一本勝ちの数も対ストライカーよりも少なく、10%以上低くなっています。
全体的にグラップラーの選手は、オールラウンダーの選手が苦手なのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
一般的にはオールラウンダーが最も強いと言われることが多いですが、実際に分析してみるとストライカーには負け越していました。
打撃に特化している分、勝率が高いのかもしれません。
また勝率に違いはあったものの大きな差ではありませんでした。
若干の有利・不利はあっても、明確にどのスタイルが最強だというのは難しそうです。
他にも格闘技を統計学で分析している記事をだしていますので、ぜひチェックしてくださいね。