格闘技の試合では選手は「赤コーナー」と「青コーナー」に分かれます。基本的には赤コーナーが強者で、青コーナーが挑戦者的な意味合いがありますが、実際の勝率やKO率はどうなっているのでしょうか。
サッカーではホームチームの方が勝率が高いことが分かっていますが、格闘技のコーナーが勝利に影響を与えている可能性もあります。
実際に600以上の試合結果を分析し、どちらの方が勝率が高いのかを検証します。
調査の方法

赤コーナーと青コーナーの勝率調べるにあたり、キックボクシングの団体であるK-1の試合結果を参考にしました。この記事を書いた時点から過去全てのK-1の試合結果をさかのぼりトータル625試合を分析しています。
全625試合を結果をどちらのコーナーの選手が勝利したかで分けていきます。
また「KOか判定か」も同時に調べ、赤コーナーと青コーナーでKO率が変わるかも調査しました。
ちなみに判定しづらい「引き分け」や結果の出ない「エキシビジョンマッチ」に関しては計算に入れていません。統計学の分野においてもこういったデータは外れ値として分析から外されます。
骨の折れる作業でしたが、面白い分析結果が得られたと思っています。早速結果を見てみましょう。
赤コーナーと青コーナーの違い

早速結果を見ていきたいと思います。
勝率の違い
まずは勝率の違いについてです。

=====
■赤コーナー
勝利数:386試合 勝率:61.76%
■青コーナー
勝利数:239試合 勝率:38.24%
=====
赤コーナーの方が勝率が高いという結果になりました。実際に分析した全ての大会を見てみると、なんと青コーナーの選手が勝ち越していた大会は1度のみ。
3大会が赤と青の勝ち星が同数で、それ以外は全て赤コーナーの方が勝ち星が多い大会という結果になっています。
ただし、だからと言って、「赤コーナーの方が有利」とするのは間違いかもしれません。赤コーナーとは基本的に王者サイドなので、単純に強い選手が集まりやすいからです。
「赤コーナーが有利だから勝利数が多い」というよりは「強い選手は赤コーナーになりやすい」と考える方が自然かもしれません。
KO率の違い
次はKO率についてです。勝利した数が赤コーナーの方が多いので、単純にKOの数を比べてはいけません。
勝利数のうちKO決着した割合を比較することで、どちらがよりKOしたかの結果を出しています。
分析の結果、以下のようになりました。

=====
■赤コーナー KO率45%
■青コーナー KO率46%
=====
という結果になりました。1%の差が出たものの、ほぼ誤差と言える範囲ではないでしょうか。
「赤コーナーでも青コーナーでもKO率は変わらない」
と結論付けました。
勝利数が多かっただけに、KO率も赤コーナーの方が高いと思っていたのですが、いい意味で予想を裏切られる形になりました。
ちなみに全体で考えるとKO率は45.44%。約半数の試合がKO決着しているというのは、K-1の面白さを表していますね。
まとめ
いかがだったでしょうか。「赤コーナーの方が勝率が高い」というのは事前の予想通りでした。
ただ、「勝率に差が出ても、KO率は変わらない」というのは興味深いポイントです。

これは私自身の感想になりますが、実際にデータをとってみると、ネットで調べるだけでは分からない様々な発見があり面白かったです。この記事を読んでくれてる方にとっても、少しでも面白い記事になっていれば幸いです。
本サイトではこの他にも格闘技についての情報を発信しています。興味のある方はぜひ他の記事もチェックしてくださいね。