ボクシングを見ていると様々な団体が出てきますよね。WBA・WBC・IBFなどなど。
多くの団体があるからこそ、
「結局どこが一番強いの?」
「何種類くらいあって、それぞれどう違うの?」
そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事ではボクシング主要4団体に加えて、日本やアジアの団体についても詳しく解説していきます。
世界の主要4団体
世界には様々なボクシング団体がありますが、世界的に認知されているものは4つしかありません。
それがWBA・WBC・WBO・IBFです。
ボクシングの世界チャンピオンというと、基本的にこの4団体どこかのチャンピオンということになります。
最も古いのがWBAで、前身となった団体は100年以上前に設立されています。団体が1つであると挑戦者などに偏りが出るという理由から、現在は4団体にまで増えました。
同じボクシングの団体でも、細かいルールや特徴が異なります。
1つずつ紹介していきますね。
目次
WBA-世界ボクシング協会-

本部 | パナマ/パナマシティ |
設立 | 1921年 |
加盟国 | 90ヵ国 |
ルール | スリーノックダウン制 |
前述した通り、最も歴史のある団体がこのWBAです。元々はNBAという名前で活動していました。
1921年に設立、2007年にはベネズエラからパナマに本部を移しています。
スリーノックダウン制を採用。これは1ラウンドの間に3回ダウンするとKO負けになるというルールです。
また正規の王座以外にもスーパー王座を認定しており、同じ階級でも複数のチャンピオンが存在します。
最も権威のある団体ですが、王座の乱立という観点から批判されることもあります。

WBC-世界ボクシング評議会-

本部 | メキシコ/メキシコシティ |
設立 | 1963年 |
加盟国 | 161ヵ国 |
ルール | フリーノックダウン制 |
WBCは1963年に設立。元々はWBAの傘下にあたる団体でしたが、1965年に独立しています。
WBAと違いフリーノックダウン制を導入。何度ダウンしても立ち上がれば敗北にはなりません。
また4ラウンドと8ラウンドが終了した時点で採点が公表されるという大きな特徴を持ちます。
そのときの点数によって作戦を変えることができるなど、他団体にはない独自の色があります。
また加盟国も4団体では最多であり、161ヵ国がWBCに参加しています。

IBF-国際ボクシング連盟-

本部 | アメリカ/ニュージャージー州 |
設立 | 1983年 |
加盟国 | 27ヵ国 |
ルール | フリーノックダウン制 |
IBFも元々はWBAの傘下にあたる団体でした。1983年に旗揚げしています。
WBC同様フリーノックダウン制を採用。加盟国は少ないものの、実力のある団体です。
格闘技では前日に体重計量が行われるのが一般的ですが、IBFのタイトルマッチでは当日にも計量が実施されます。
前日から10ポンド(約4.5㎏)増量すると王座剥奪など厳しい体制をつくっています。
日本が加盟したのは遅く、2013年になってからでした。

WBO-世界ボクシング機構-

本部 | プエルトリコ/サンフアン |
設立 | 1988年 |
加盟国 | 65ヵ国 |
ルール | スリーノックダウン制 |
WBOは1988年に設立。4団体の中では最も新しい団体です。
1990年代から人気と実力を持った選手が集まり、世界王座認定団体としての地位を確保しました。
WBAと同様にスリーノックダウン制を導入しています。
他団体にはない特徴としては、女子ジュニアヘビー級が設置されています。
WBOにのみ存在する階級で、独自のものといえます。

どこが一番強い?4団体徹底比較!
4 団体の中でどこが一番強いのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
厳密に言ってしまえば、完全にどちらが強いと言い切ることは難しいです。
例えば、「ライト級ではWBCが強いがバンタム級ではIBFが強い」といったことが起こり得ます。それに違う団体のチャンピオン同士でも試合が組まれるとは限らず、優劣がつけられない場合もあります。
そういった点から完全にどこが優れているかは言えないものの、一般的にはWBC>WBO>IBF>WBAと言われることが多い印象です。最も歴史があるWBAが一番下というのは驚きですよね。
WBAは正規王座以外にスーパー王座を設けるなど、王者乱立によりランク付けが難しくなっている側面があります。またWBCは加盟国が最多であることから実力のある選手が集まっている印象です。
その他細かい点の比較は下の表を参考にしてください。
WBA | WBC | IBF | WBO | |
---|---|---|---|---|
本部 | パナマ | メキシコ | アメリカ | プエルトリコ |
設立 | 1921年 | 1963年 | 1983年 | 1988年 |
加盟国 | 90ヵ国 | 161ヵ国 | 27ヵ国 | 65ヵ国 |
ルール | スリーノックダウン | フリーノックダウン | フリーノックダウン | スリーノックダウン |
強さ(一般論) | 4位 | 1位 | 3位 | 2位 |
日本人チャンピオン | 具志堅用高・亀田興毅 | ガッツ石松・内藤大助 | 京口紘人・亀田大毅 | 田中恒成・井岡一翔 |
その他特徴 | スーパー王座 | 試合中の採点公表 | 当日計量 | ジュニアヘビー級 |
【番外編】有名なボクシングの団体
これまで紹介した主要4団体以外にも、世界には様々なボクシング団体が存在しています。
非常に数が多く、全て紹介しているときりがありません。
ここでは日本でも聞き覚えのある有名な団体を紹介していきます。
WBSS

本部 | スイス/チューリッヒ |
設立 | 2017年 |
参加資格 | 4団体王者orランキング15位以内 |
ルール | 王者の試合はベルトの移動あり |
主要団体が4つあることで参加選手の偏りがなくなるなどメリットもありますが、同時にデメリットもあります。
その一つが王者の乱立です。4団体王者にに加え、暫定王者やスーパー王者などなど。
ボクシングには同じ階級に複数の世界王者が存在している現状があります。
「じゃあ結局どの選手が一番強いの?」
そんな声を解決するために設立されたのでがWBSSです。
4団体の王者や15位以内のランカーが参加し、トーナメントで真の王者を決めます。
なんと王者が戦った場合にはすべてタイトル戦となり、優勝すれば4団体の統一王者になれる可能性もあります。
賞金も10億円と言われるほどで、名実ともに最強を決めるトーナメントです。

JBC-日本ボクシングコミッション-

本部 | 日本/東京 |
設立 | 1952年 |
加盟 | WBA・WBC・IBF・WBO・OPBF |
ルール | フリーノックダウン制 |
JBCとは日本のプロボクシング統括する団体で1952年に設立されました。
試合の認定や日本ランキングの制定、またプロテストなども実施。
技量によりA級からC級までプロボクサーを認定しています。
世界で活躍する日本人選手も、最初はこのJBCでプロキャリアをスタートさせているわけです。
元々はWBAとWBCに加盟していましたが、2013年にはIBFとWBOにも加盟。
日本人選手は主要4団体すべてに挑戦できるようになりました。

JABF-日本ボクシング連盟-

本部 | 日本/東京 |
設立 | 1926年 |
加盟 | オリンピッに選手を派遣 |
ルール | 3ラウンド制 |
JABFは日本のアマチュアボクシング団体です。設立は1926年と長い歴史を持ちます。
アマチュアと聞くとレベルが低いイメージかもしれませんが、そんなことはありません。
オリンピック委員会や国際ボクシング協会(AIBA)にも加盟し、国を代表する選手を育成しています。
東京オリンピックで活躍した入江聖奈さんなどもJABFの選手です。
小学生や中学生の大会も開催するなど、若手の育成にも力を入れています。

OPBF-東洋太平洋ボクシング連盟-

本部 | 時期によって変更 |
設立 | 1952年 |
加盟国 | 16ヵ国+3地域 |
ルール | フリーノックダウン制 |
OPBFはアジアのボクシング団体で、1952年に設立されました。
同じアジアの団体としてABCO(アジアボクシング評議会)というものがありますが、大きな違いとしてOPBFにはオーストラリアとニュージーランドも加盟している点が挙げられます。
主要4団体の1つであるWBCの傘下にあたる団体です。
本部は固定されておらず、時期によって加盟国内で場所を変更しています。

WBOアジアパシフィック

本部 | プエルトリコ/サンフアン |
設立 | 1952年 |
ルール | スリーノックダウン制 |
WBOアジアパシフィックはアジア王者を決める団体で、世界主要4団体であるWBO傘下にあたります。
WBCとWBOという母体の違いはありますが、上記したOPBFと同じくような位置づけの団体です。
WBOアジアパシフィックでチャンピオンになると、自動的にWBOの世界ランキング入りするという特徴があり、世界ベルトを狙うアジア人選手にとって、登竜門的な役割を果たしています。

まとめ
紹介したように世界には様々なボクシング団体が存在します。
その中でも主要4団体とされているのがWBA・WBC・IBF・WBOです。
どこかの団体でチャンピオンになっても「最強」を名乗れないのがボクシングの厳しさでもありますね。
そのためにWBSSのような団体が設立されたわけです。
また知名度は低いですが日本にもボクシングの団体は存在し、多くの選手を輩出しています。
怪物・井上尚弥選手を筆頭に、様々な日本人が世界を舞台に活躍しています。
ぜひチェックしてくださいね。